私はとても綺麗な花の種をもらった。
まだ1度も生で見たことのない花だ。
夜明け前に咲くその花は、最初は雪のように真っ白で、
朝焼けを身に纏いながら、淡く極彩色に輝く不思議な花だ。
(どうやら夢の中にしか存在しない花のようだ)
その花を見たくて見たくて、
私は育て方を調べて大事に大事に世話をした。
早ければ3日で咲くその花は、一週間たっても芽すら出なかった。
誰かが「その花は心が綺麗な人じゃないと咲かせられないんだよ」と言った。
それを聞いて私は、花を咲かせられる心の綺麗な人が羨ましくて、
妬ましくて心が嫉妬に渦巻いたので、
ああ、やっぱ私には無理なんだなぁ。
そう思って友達にあげた。
翌日朝早く、それは見事な花をつけた。
心が綺麗じゃなくても、
育てることは出来なくても、
その花が咲くのを見ることは出来るので、
私は友達の家に行ったけど、
あんまり近くで見ると、
なんだか枯れてしまいそうだったから、
ちょっと離れてその花を見た。
朝焼けに輝く花は綺麗で、
とても綺麗で、
なんだかヤングイアンの笑顔を見ていた時のことを思い出して、
やっぱりあの夢はあのまま終わって良かったのかもな。
とボンヤリ思った。
変な夢。
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