1536年、パリ。
ひとりの靴職人が、忽然と姿を消した。
それが「神」をめぐる
巨大な陰謀の幕開けだった ――
佐藤賢一 著「カルチェ・ラタン」(集英社文庫)の帯コピーより。
迷いに迷って買ったこの本。買って正解でした。
めちゃくちゃ面白かった!
中世パリの学問の街「カルチェ・ラタン」を舞台に
女たらしで女嫌いで大天才で意地悪に見せて
実は底抜けに優しい学僧ミシェルと、
臆病で小心者でオクテのくせに視線は大胆な(笑)夜警隊長ドニ、
この二人を中心に繰り広げられる学生たちの青春群像。しかもミステリー。
帯コピーは上手く内容を表していて、硬派ミステリーな印象。
でもコピーの印象とは違って、文体は凄く柔らかくて読みやすかった。
キリスト教の各宗派の対立とか出てくるんだけど、全然難しくなかった。
(まあ理解があればもっと面白かったかもね)
そしてエロいです。あけすけな性の話が多い。でもそれがリアル。
構成も凝っていてウソ序文とウソ解説付き。
ウィットに溢れていて素敵な小説でした。
何故か読んでいる間、宮部みゆきの「ブレイブストーリー」を思い出した。
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